瀬戸内の風景が愛おしい

屋島山上から眺める瀬戸内の島々

2012年の3月からほぼ9年間、香川県高松市で暮らしていた。東京生まれ、東京育ちの私にとって香川の暮らしの魅力とは、自然との距離が近いということに尽きる。住んでいた場所は高松市郊外の新興住宅地。高いマンションが少なく、周囲に田んぼや畑が残っており、季節の変化を肌で感じることができた。自転車で20分ほど走ると瀬戸内海に出ることができる。内海は静かで、湖のよう。深呼吸をすると、かすかに潮の香りがして、心地よい。

写真は高松市東部にある屋島山上から眺めた瀬戸内の風景。中央に横たわるのが女木島。高松港から小さなフェリーで15分ほどで渡れる身近な離島だ。その向こうには備讃瀬戸の島々。左手には高松港があり、海を大小様々な船がひっきりなしに行き来している。こうした穏やかな海の風景を、何も考えずに眺めているのが好きだった。