今春の桜はOM-1とともに

「みんなの原っぱ」から見る菜の花と桜

オリンパスOM-D E-M5が2012年に発売されてからOM-Dシリーズは代を重ねるごとに進化を続けてきた。そしてE-M5発売から10年となる2022年3月18日、その流れを汲むOMデジタルソリューションズのフラッグシップ機、OM-1が発売された。歴代のOM-Dシリーズを愛用してきた私としても、前モデルのOM-D E-M1 MarkⅢから、撮像素子、画像処理エンジン、メニュー構造を一新。AFをはじめ、多くの機能・性能が大きく進化したOM-1は絶対に手にしたい1台だった。

OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO。C-PLを装着。これが、現在の私のメインシステム。野鳥撮影時には、レンズをM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO、またはM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISにスイッチする

発売以来、近場でテスト撮影をし、自分の使い方に合った設定を探る作業を進めてきた。実際にフィールドに出て試してみようとする度に、曇天であったり、雨に降られたり、と出鼻をくじかれることが続いた。気がつけば都内では桜が満開を迎え、場所によっては葉桜になってきたこの週末、ようやく青空が見えたので、立川の昭和記念公園まで出かけた。

渓流広場では色とりどりのチューリップが美しく咲く

基本的に露出とホワイトバランスはオートに設定、RAWデータで記録し、パソコンでRAW現像するスタイルをとってきたので、露出関係は特に設定することはない。操作性に大きく影響するのがAF関連の設定。従来のOM-Dでは、通常の撮影はS-AFで行ってきたが、OM-1ではC-AFをメインに変更した。AF動作をAF-ONボタンを押したときにだけ働くよう設定する。これで、AF-ONボタンを押している間はC-AF、AF-ONボタンを放すとAFが止まるので、S-AFでフォーカスロックをかけたのと同じ状態になる。また、AF時にもMF捜査ができるよう設定したので、ピントの微調整もシームレスに行える。MF時にピーキング表示が出るようにしたので、フォーカスリングを動かせば、ピントがどこに合っているか視覚的にわかるので、風景撮影の際にもこのAF機能の設定は有効であることが確認できた。

200mm相当の望遠域で撮った菜の花畑越しのソメイヨシノ

OM-1の機能面での進化と同じくらい気に入っているのが、グリップ形状の大幅変更。これによって、ボディサイズは従来のOM-D E-M1シリーズと変わらないが、グリップを握ったときに小指のかかりが小さく、重いレンズを使用する際は不安に感じることがあった。しかし、OM-1のグリップは高さが増して、握りも深くなったため、右手の5本の指、全てを使ってホールドできるようになった。超望遠レンズを装着したときも不安感がなく、撮影に集中できるようになった。

ほとんどの花が散ってしまった公園の一角。道に降り積もった花びらと、草地に広がる木の影が印象的でカメラを向けた

桜の撮影はホワイトバランスの設定がキモだと思う。RAW現像で調整できるのだが、今回は終日晴れていたので、晴天(5300K)で撮影。普段、神社仏閣や町並みを撮るときは露出補正を−0.3〜−0.7にするが、今回は被写体が明るい桜の花なので、白トビしないよう気をつけながら+0.3〜+1.0で撮影した。

ここでは紹介できないが、フルHDのハイスピード撮影もいろいろ試した。OM-D E-M1Xで初めて120fpsでハイスピード撮影が可能になり、24p再生で5倍スロー動画が撮れた。OM-1では最高240fpsでのハイスピード撮影に対応し、24p再生ならば10倍スロー動画が撮れるようになった。ここまで強烈なスローモーション撮影ができるのであれば、花の蜜を集めるハチを撮ると効果的だろう。しかし、今回はそのような機会には恵まれず、桜吹雪をハイスピード撮影してみた。まだ、撮りっぱなしなので、機会があればブログでも紹介しようと思う。