ボロボロになった滑り止めを張り替え

購入から17年ほど経つオリンパス ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5。このフォーカスリングの滑り止めが経年劣化でボロボロになっていたので張り替えることにした。この滑り止めは合成ゴムと思われ、加水分解によりベトベトになり、さらに所々が欠けている状態だった。E-1と同時に購入し、その後、E-5やマウントアダプターを介して、OM-D E-M1シリーズでも使い続けてきた思い入れのあるレンズなので、なんとか快適に使えるようにしたい。

ボロボロになったフォーカスリングの滑り止めは、劣化していたため竹べらで簡単に剥がすことが出来た。

材質は同じように見えるのだが、ズームリングはべたつきもなく正常。フォーカスリングの滑り止めだけが劣化していた。合成ゴムの滑り止めが欠けている部分に竹べらを当て、そぎ落とすように擦ると、ポロポロと剥がれる。この作業を数分間続け、全周を剥がし終えた。フォーカスリング部に残るゴムの残骸や接着剤を無水エタノールをつけた布で拭えば、第一段階の作業は完了。この状態でフォーカスリングを操作してもスムーズに動くことが確認できたので、次の作業に移る。

カメラ張り革をフォーカスリングの幅に合わせてカットする。外周の長さも正確に測り、長さも揃える。

カメラの分解・修理用品などを販売しているジャパンホビーツールの「カメラ張り革」を購入。表面の形状はライカカメラ調やキヤノンEOS-1調など、好みに応じて選べる。私が選んだのは「OMズイコーレンズタイプ」。フィルム一眼レフカメラのオリンパスOMシリーズに装着するズイコーレンズに使われていた、規則正しく突起が並ぶデザインの滑り止めだ。現在のズイコーデジタルレンズとは印象が異なるが、ズイコー繋がりで、このタイプを使用した。

むき出しになったフォーカスリングの幅と外周の長さを測り、その寸法に合わせて「カメラ張り革」と同梱されている接着用両面テープのシートをカットする。張り革は長すぎても短すぎても不細工になるので、一度、フォーカスリング部に巻いて調整する。切り出した両面テープをはみ出さないようにカメラ張り革の裏に貼り、それが済んだら、レンズのフォーカスリング部に丁寧に貼れば完成だ。ここまで約10分ほどの作業。

オリンパス ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5のフォーカスリングの張り替え完了。異なるデザインの滑り止めだが、違和感はない。

今のところ使用感は良好。他のズイコーデジタルレンズのフォーカスリングは今のところ問題なしだが、加水分解が進んでしまったら、この「OMズイコーレンズタイプ」の「カメラ張り革」を使うとしよう。